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今、だからこそPC-98


ご注意:以下の文章は私の独断と偏見に基づく物です。Macらぶらぶな方やDOS/V萌え萌えな方にとって不快な事項を含んでいる可能性があります。その点をあらかじめご承知の上でお読み下さい。

はじめに
 97年秋のNXデビュー以来、NECはPC-98に力を入れなくなりました。98年に入っての純粋な新機種と呼べるのは98ノートLavieとMate-Rくらいです。そして、Win98デビューに伴うWin98プリインストールマシンのラインナップはMate2機種とLavieのみになりました。ValueStarやCanBeにはWin98プリインストールモデルはラインナップされていません。
 世間やパソコンショップ、パソコン雑誌もPC-98シリーズを第一線で取り上げてはいません。NEC販売店でも展示はNXばかりです。この状況下で何故今だからPC-98なのでしょうか?

台湾製マシンにファンはいるか?
 巷では互換性に乏しくサポートも悪いマシンを国際標準機などと言って初心者相手に売りさばくメーカーが大きな顔をしているようです。有名映画俳優のCMと安価な値段でシェアを伸ばしているようですが、自腹を切って何台もF○Vを乗り継ぐといったユーザはほとんどお目にかかりません。F○Vユーザは次のマシンにはF通以外のメーカーか自分での組立に走る様です。これに対し、大きい青とも呼ばれる国際事務機のノートには熱心なファンがいます。もちろん、PC-98ユーザやX68kユーザ、FM TOWNSユーザにも熱心なファンがいます。これは何故でしょうか?
 まず、考えられるのは、そのマシンの筐体やマザーボードが何処で設計、製造されたかです。F通の机力は台湾の宏基電脳からのOEMです。しかし、IBMのノートは大和で設計、製造されています。他の日本の大メーカーでもノートは日本での設計、製造が多いです。PC-98はFellowの一部を香港のNECテクノロジーで設計し香港及び台湾で製造されたこともあります。しかし、PC/ATとは異なるアーキテクチャのため、基本的には国内で設計、製造されています。今でこそ台湾のパソコン産業は興隆していますが、家電製品にみられる細やかな気配りや付加価値等の資産は未だ日本がリードしています。
 それが端的に現れているのは、筐体のデザインでしょう。パーツショップに並ぶ単体のケースはどれも機能性と価格のみにバリエーションがある状態で、デザインとしてみた場合は武骨なものばかりです。
 パソコンも10数年前の一部のマニアのおもちゃから比べると最近はかなり一般化してきました。また、CPUをはじめとした装置の高速化、低価格化、大容量化もかなり進んできました。そうなってくると、機能一点張りでない使い心地などが大事になってきます。この点で、我々日本人には国産マシンの方がマッチしています。舶来というだけで有り難がるのはどうかと思います。

テキストVRAMを持つのは時代遅れか?
 PC-98の特徴であるMS-DOSでの文字のテキストVRAMによる表示を時代遅れと言う方がいます。しかし、PC/ATとその互換機もテキストVRAMを持っています。英語版のDOSやBIOS設定画面は本体内のテキストVRAMによります。但し、アルファベット、数字、記号のみしか表示できないだけです。Macintoshはそうでは無いという方もいるようですが、MacsBugをインストールしておいてデバッグ画面を表示させるとテキストVRAMによる表示が見られます。また、RAMをはずしたりして起動するとSadMacを拝むことが出来ます。この時のエラーメッセージは組み込みのVRAMによるものです。こうしてみると、PC/AT互換機もMacもテキストVRAMを持っていますから、それで時代遅れというのは当たってません。(なお、JEGAボードを持つAX機は完全に時代遅れです)

国産パソコン
 8ビットの頃から16ビットCPUの頃はCPU処理速度の関係で日本語処理は大きなハードルでした。海外のマシンそのままではまともに日本語が扱えないため、国内では各メーカーごとに多くの規格のパソコンが出現しました。そのうちで統一規格を持ち、それなりに普及したものにMSXがあります。その他の統一規格としてはAXが有りましたが、ほとんど普及しませんでした。
 そうした中、NECのPC-98シリーズは16Bitマシンで漢字VRAMによる高速な日本語表示を持ち、アプリケーションの豊富さとも相まって国内での標準の地位を勝ち取り、セイコーエプソンの98互換機と共にシェアの大半を占めていました。
 この頃のソフト、ハードの資産は膨大な物があります。Win95や98等からパソコンに入門した方は是非触れてみるのをお勧めします。特にゲームソフト等は中古の古い98でも充分実用になります。
 また、PC-98には多種のOSが走ります。N-88BASICやMS-DOS、Windows1.0〜98、WindowsNT、OS/2、PC-PTOS、FreeBSD(98)、NetBSD/pc98、Linux/98等のUNIXなど各種のOSが走ります。OSおたくの方にもお勧めです。

DOS/Vに未来はあるのか
 本来、DOS/Vというのはソフト(OS)の名称です。IBM又はMSKKの日本語DOS/V(4.0/V〜7/V)あるいはノベルかコンパックのDOS/Vを指します。このDOS/VをインストールしたマシンをDOS/Vマシンと言うのなら話は判りますが、もはやDOS/VをインストールしていないマシンまでDOS/Vマシンと呼ぶのはおかしな事です。Macintoshの様にマシンとOSとが密接不可分であるならば、マシンアーキテクチャとOSの両方をMacと呼んでもおかしくありません。日本でDOS/Vがデビューした頃はDOS/V又はDOS/VとWindows3.Xを搭載したマシンをDOS/V機と呼んでいました。95年のWin95Jデビュー以来、MSKKからDOS/Vはほとんど出荷されていません。Win9Xのランチャーとして内部に隠れてしまいました。現在、DOS/V機と呼ばれているマシンは正しくはPC/AT互換機にOADG仕様のキーボードを付けたマシンと言うべきでしょう。MS-DOSが内包されているWindows9Xならともかく、WindowsNTやUNIXをOSとして動くマシンをDOS/V機と言うのは論理矛盾しています。
 また、OSとしてのDOS/Vが動くマシンであれば、PowerMacにPC/ATエミュレーションソフトを走らせ、その上でDOS/Vを走らせる事も出来ます。DOS/Vが走るからといってもそれはDOS/V機ではなく、Macintoshです。
 DOS/VそのものはIBMから未だ出荷されており、業務用アプリなどではこれからも使われていくでしょう。しかし、PC-98のMS-DOSでもそれは同様です。どちらもコンシューマー向けのメインストリームからははずれています。やがて、コンシューマー向けのWindowsがWinNTベースとなれば、もはやDOS/Vは忘れ去られる事でしょう。

PC/ATアーキテクチャの将来性
 本来、PC/ATというのはIBMの製品です。純正であるIBM機と互換性のあるものがPC/ATアーキテクチャです。x86CPUとISAバス(ATバス)とATキーボードコネクタ、ATケースにAT電源、5インチFDDとST506インターフェイスのHDDに101キーボードを持ち、AT BIOSを持つものが本来のPC/AT互換機と呼べます。純正PC/ATはi80286搭載なので、Windows386以降の32Bit命令を持つOSは動作しません。
 しかし、コンパックが386互換機を出して以来、PC/AT規格からはずれたマシンが出てきたのは皆さんご存知の通りです。そしてPS/2コネクタやATAPI、PCI、等の本来のPC/ATと互換性の乏しいマシンが主流になってきました。そして、Win95の登場に合わせてMicrosoftからPC95というハードウェアガイドラインが出てきました。このPC9X規格ではintelも加わり改訂される度にPC/ATから離れたWintelマシンとしての性格を強めています。AGPバス、ATX電源の採用に留まらず、PC/ATの象徴とも言えるISAバスをレガシーデバイスとして切り捨てる方向に向かっています。パソコン界の2大巨人であるMSとintelの意向がISA=PC/AT切り捨てである以上、PC/ATは無くなってPC9XなりPC200Xなりのアーキテクチャに主流は変わって行く事でしょう。

Macintoshについて
 筆者はPIONEERマシンユーザでもあります。MacOSも使用していますが、WWWブラウザが固まるとOSまで道連れになって落ちる不安定さは耐えられません。コープランドの発表以来、何時までたってもきちんとしたメモリ管理出来るOSが出てきません。OSロードマップが遅れるのはともかく、変更が多すぎると感じます。タリジェント、ピンク、コープランド、PREP、CHRPと水子の数ばかり増えています。それにMac互換機ユーザとしては、二階に上げてはしごをはずす様なappleのやり方には物凄い不信感を抱きます。互換機の扉を閉めつつあるappleはもはやMSの独占禁止法違反防止のために存在している感もあります。その証拠に最近のappleのCMはMS Windowsとの比較広告では無く、intelのCPUとの比較になっています。
 また、Macは易しいとかすぐ使えると言われてますが、現実には書店のパソコン書籍のコーナーの一角にはMacの入門書や解説書が山積みになっています。本当に易しければ、これらの本は不要な筈ですし、出版される筈も無いので、単なる希望か思いこみとでも言うべきでしょう。

今、PC-98を買う理由
 別にNECに義理立てする必要もありませんが、日本人たるもの、日本生まれの理論や製品を愛用したいものです。海外のものを有り難がっているのは売国奴の第一歩です。魂を売り渡して根無し草になるのを良しとしてはなりません。TRON仕様のアーキテクチャを持つパソコンでも構いませんが、現在入手は不可能です。
 日本生まれのパソコンにはx68kやTOWNS等も有りますが、既に製造中止後数年を経ているため、マシン入手も中古に限られる上、ネイティブなソフトもなかなか手に入りません。それより古い8Bitマシンではなおさらです。そしてインターネットなどを現役で快適に使うにはつらいスペックです。しかし、PC-9821に関しては、まだまだ現役でバリバリ使えますし、中古では無い新品も入手可能です。勿論、中古もタマ数豊富です。以前あこがれていて手の届かなかったフラッグシップモデルも値段がこなれて貴方を待っています。プレミアムのつく前にGETするのが良いでしょう。そして、NEC自体これから先あまり新製品が望まれない以上、今がPC-98の買い時です。98ネイティブなソフトもゲームソフトを中心に多くが入手可能です。最近の9821ならばWindowsアプリもしっかり走ります。

拡張パーツやボードが少ないのでは?
 PC/ATのパーツやボードは確かに数多くあります。しかし、多くの種類があるからと言っても、1台のマシンで使用出来るパーツには限りが有ります。例えば、ビデオカードを例に取ると、台湾製のi740を積んだビデオカードは数十種類有ります。しかし、いくらWin98でマルチモニタをサポートしてるからといって10ヶも20ヶも1台のマシンに積める訳では有りません。また、多くのi740カードが出ていても、それを全部コレクションするのは馬鹿げています。そうなると実際には数十種類も数種類と一緒です。また、他のカードにしてもマシンのスロットの数以上差せる訳ではありませんから現実には個人で使用出来るのは数種類しか有りません。なお、種類だけで言えば98用のCバスカードも相当数有ります。一個人で使えない程のカード(ボード)の種類が存在するのはPC-98でも同じです。
 また、怪しげなジャンクに惹かれる方にもPC-98はお勧めです。正体不明のCバスボードやNESAバスボード、H-98やSV-98、N5200(98モデル)、OP-98の本体等、貴方の知らない世界が拡がっています。

買ったマシンの将来性は?
 別にPC-98に限ったことでは有りませんが、現在売られているパソコンそのものが将来も第一線で活躍できるとは限りません。加速された製品サイクルにより、数年後にはどんなマシンでも陳腐化してしまいます。ですから、PC/AT互換機やMacとて今現在売られているマシンの将来性は有りません。
 自分で組み立てたマシンならアップグレード出来る云々と言う方も居ますが、FDDとケースを除く全てのパーツが数年後には陳腐化しているのはまず間違いありません。数年後にケースとFDDだけ再利用するくらいなら、吊しのメーカー品を買った方が安く上がる事でしょう。そして、数ヶ月待てば同じ予算でさらに上のスペックの完成品が手に入ります。たかだかケースとFDDのみ再利用出来るからと言って将来性が有るというのはいかがなものでしょうか?
 どうしても自分で組み立てたい方はPC-98のジャンクを組み合わせてマシンを作るという手もあります。他人と同じ金太郎飴の様なマシンが嫌な方は挑戦してみてはいかがでしょう。
 また、OSに関してもWin98も有るし、NT5.0(Windows2000)も出ます。その次のWindowsが出る頃にはCPUも1GHzが主流かもしれません。あわてて乗り換える必要が本当にあるのかはすこぶる疑問です。

今現在、PC-98を使用している方へ
 21世紀を迎えてもお持ちの98を大事にしましょう。Pentium機であればCPU交換などのパワーアップでWindowsもサクサク走ります。また、486やPCIバスを持たない機種や拡張性で悩んでいる場合は今のうちにもう1台PCIバスを2スロット以上持つ98を手に入れるのも良いかもしれません。パワーアップ出来ない、しないのであれば、DOSアプリ専用機やFreeBSDマシンとする楽しみもあります。現在Win95が使い物になっていれば、軽いアプリとインターネット用として21世紀まで大丈夫でしょう。

さて、これからPC-98買おうという方のためにPC-98ショップリンク集も作りました。

PC-98をしゃぶろうに続く

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