はじめに
98年にはNECを初めとするメーカー各社から液晶モニタセットや液晶一体型デスクトップマシンが数多く発売され大ヒットしています。これらのマシンも突然出てきた訳では無くルーツがあります。PC-9821にはノート以外で省スペースの為に液晶モニタを採用した機種がいくつかあります。あまり知られておらず異端機とも言えるこれらの機種を追ってみましょう。
先史時代
ノート発売以前のラップトップマシンはPC-98LTから始まりLV,LS,LXなどの様々なバリエーションが展開します。その系譜については
こちらを参照して下さい。ここではノート発売後の省スペースデスクトップと言えるラップトップマシンを見てみましょう。
- PC-9801T
386SX20MhzとV30/8MhzのツインCPUを持ちます。モノクロ及びカラーモデルがあり、100MB
HDD内蔵モデルも有りました。Cバス2本です。
- PC-H98T
あのH-98にも液晶モデルが有りました。i486SX25Mhzでモノクロ及びカラーモデル(120MB
HDD内蔵)が有りました。ノーマル(640×400)ハイレゾ(1120×750)切り替えというデュアル液晶を持ちます。NESA/Cバス2本です。
PC-9821
93年1月にWindows3.1 readyマシンとしてPC-9821 Mateが登場します。液晶マシンも640×480ドット以上の解像度と256色以上表示の9821アーキテクチャに切り替わります。Tsを除きフルカラー表示が可能で、ノートと異なりモノクロ機種は存在しません。
- PC-9821Ts120/W
93年11月発売で筐体デザインはそれまでのラップトップマシンに属します。Windows3.1プリインストールモデルとFDDモデルが存在します。i486SX33Mhzで9.5インチTFT液晶(640×480)にGAはローカルバス接続のCIRRUS
LOGIC GD5428(VRAM1MB)です。9821型番を持つものの、DOS上での256色表示可能な9821グラフィックは有りません。Windowsモデルはメモリ6MBに120MB
HDD(2.5インチ)です。カラー表示は256色で音源はビープ音のみ、Cバス2本です。i486DX2/66Mhzへのアップグレードが可能です。
- PC-9821Es 写真
94年7月、企業向けの省スペースクライアントマシンとしてFineが登場します。9.5インチTFTフルカラー液晶を持ちます。特徴的なのはノートをベースにしていて、PCカードスロットや拡張バス(110ピン)、98NOTEベイを持つ事です。物理的なCバスは有りません。i486DX2/50MHzでHDD容量により数種類のモデルが有ります。GAはCIRRUS
LOGIC GD5428(VRAM1MB)です。音源はビープ音のみです。筐体デザインはIBMのグリーンPCに良く似ていました。340NLはPC-9821N-J02という10Base-Tカードを標準装備しています。
- PC-9821Cr13/T 写真
96年3月に発売された家庭向け入門機であるCanBeの異端機です。CanBe Jamの愛称を持ちます。Jamは「いろいろ詰まっている」の意味です。黒のキーボード一体型筐体でスライドパッドを持ち、可搬型も意識して取手が付いていますす。ラップトップへの先祖帰りとも呼べます。10.4インチTFT液晶(640×480)でP54C/133Mhz、16MBメモリ、HDD
850MBに4倍速、4連装のCD-ROMとTypeII×2のPCカードスロットをを持ちます。音源はPCM、FM音源のCanBe音源です。ステレオスピーカーだけでなくスーパーウーファーも内蔵します。CanBeシリーズだけあってTVチューナとビデオキャプチャ機能、14,4kFAXモデム内蔵で赤外線通信機能を持ちます。OSはWindows95です。また、98ランチなどのメニューソフトからディズニーCD-ROMに至るまで大量のソフトがプリインストール及びバンドルされます。modelAは一太郎、modelBはWordがバンドルされます。
- PC-9821F200,F166 写真 カタログ
しばらく新製品の絶えていたFineに97年7月新製品が登場します。Windows95 OSR2とMMX搭載です。F200はP55C/200Mhz、14.1インチTFT、F166はP55C/166Mhz、13.6インチDSTNです。どちらも1024×768表示が可能で、メモリはSDRAM32MB、HDD
2GBに16倍速CD-ROMです。GAはTrident Cyber9385(VRAM2MB)です。また、USBポートと100Base-Tインターフェイス、PCIバス1本とPCカードスロット、PCM音源を持ちます。マザーボードは同時期に発売されていたMMX
ValueStar(V233M)やXc16と同等と思われます。Windows98無料アップグレードの対象になりました。なお、同じ筐体のFineNXが発売されます。F166はNX発売後1年が経過しても、DSTNがたたってかアウトレットで安売りの対象になっていました。
こうしてみると、デスクトップやノートに比べ機種の少なさが目に付きます。液晶パネルに起因する高価格が普及を妨げていたのかもしれません。
おまけ・PC98-NX
NECのラインナップがNXに切り替わり、しばらくは
Fine
NXというFineの後継機のみでしたが、ValueSterNXに液晶ディスプレイセットモデルが登場し、その後ノートベースのBOXレスモデルが登場しました。もはや異端機ではなくすっかりNXの中核になった様です。